画像が表示されない場合の代替テキスト

庁舎位置条例変更案(3回目提案)に対する反対討論

3度目の「庁舎位置条例変更案」が「臨時議会」を招集して提案されましたが、否決されました。
私は、共産党高島市議団としての反対討論を行いました。全文を掲載いたしますので、お読み下さい。

4月27日、臨時議会が開かれ、多くの傍聴者や報道関係者で埋め尽くされた中、3回目の「庁舎位置変更条例案」が提案されましたが、19議員の3分の2以上の賛成は得られず否決されました。
 日本共産党は、福井議員が反対討論を行いました。
福井節子議員の反対討論
まず、こうして同一議案に3回目の反対討論に立たなければならない不合理さと、市民の皆さんに不信感を与えていること、同時に、市長に対し、このような事態に持ち込んでいる責任の重さを申し上げなければなりません。二元代表制を無視し、議会制民主主義・市議会の権能を否定したやり方は、許されるものではありません。
 日本共産党市議団は、これまで一貫して今津新庁舎建設はあり得ない。新旭の庁舎を最大限生かし、不足する場合は最小限の経費で建て増しを・・・と意見して来ました。ですから、庁舎位置は新旭で合意できるものです。
【反対の理由】
 しかし、反対しなければならないその理由は、
 第1に、総合防災センター機能を有し、今津の土木上下水道部と安曇川の教育委員会を統合した、統合庁舎の建設と現庁舎の改修を進める予算と一体のものとして提案されていることです。
 私たちは、24億円の統合庁舎整備と改修には反対です。東日本大震災の教訓から、公共施設や病院の統廃合により、被災した際に身近に住民の拠り所となる役場も病院もなかったことが大きな問題となっていました。そのことからも、支所の充実、分庁舎を提案しています。
 また、広大な面積の高島市で、点在する集落や高齢化の進む市民の暮らしにおいて、支所の充実は切実な願いです。合併特例債を使って支所の改修を行い建物は残されても、窓口業務だけの支所では安心できません。福祉や農林業・土木上下水など、日々の暮らしの相談・解決の窓口として、市役所まで行かなくても支所で完結出来る中身の充実が必要と考えます。
 それでは市長案はどうでしょうか。
 分庁舎は効率が悪く統合したい。先の水害の経験から、総合防災センターが必要との説明です。総合防災センターについては、警察・自衛隊・消防など、人が待機する場所がなかったと説明を受けました。同僚議員が一般質問で防災センターに必要な機器の設置について聞いても、的確な回答は得られなかったとのことでした。待機する場所なら、議場や議員控室でもよいではないかと考えます。要するに、24億円の増改築案についての説明も議論も尽くされていません。
 もっと、現段階での状況説明を行財政特別委員会で聞きたい、議論したいと何度も求めて来ましたが、「まだ庁内で協議中」として、委員会は開かれませんでした。議論が足りないと言っている部分です。
 反対の第2の理由には、
 市長は、「今津新庁舎建設凍結」の公約で当選されました。「凍結」から政策執行に移す時は、慎重により丁寧に対応して行かなければなりません。
 11年前、市長は県の合併推進室長として、高島郡5町の合併協定締結に立ち会った方です。庁舎位置も含む合併協定締結をまとめた方であります。(当初、朽木村は「合併しても雪は降る」と合併協議会に入りませんでした)
 そうした立場であったなら、尚更、その時の状況をよくご存じでしょうし、この条例変更は、その締結を覆すものですから、期待をしてこられた市民の怒りは当然で、丁寧な説明と協力を求める努力がなされるべきではなかったでしょうか。
 議会でも、「合併協定守れ」の4000を超える署名が届けられてから、何らかの向き合い・話し合いが行われたかと問われていましたが、残念ながら、そうした向き合いがなされて来なかったことが明らかになっていました。
  第3点目に、現在の状況を打開するために持ち出されたのが、住民投票でした。議会で2度にわたって「否決」された「議案」を、「住民投票」を用いて覆そうとすることは、住民民主主義からしていかがなものでしょうか。
 「住民投票」は、市民に与えられた直接請求の手段であり、当然認められた手法です。ところが今回は、「市内40社」の「高島経済会」からの「要請」に応えたもので、市民からの要求ではなかったため「有権者の50分の1の直接請求署名」もなく、「要請に市長が応えて提案すれば何でも出来る」、議会で否定されたら住民投票という「直接民主主義」の乱用とも言える手法は許されるものではありません。二元代表制を否定するものです。            
【住民投票の問題点】
今回の住民投票には、問題点がたくさんあり、住民投票条例にも反対しました。
 ①まず、決定も、実施も拙速であったことです。これは各地域の説明会でも出されていた意見でもありました。市民が自由に討議する期間は15日間で、市民にしっかり判断をしてもらう資料提供も遅く、時間もありませんでした。    
 ②県議選と重なったため、いろんな制約がありました。住民運動が大幅に制限を受けました。「何でも自由にできたのは個人のみ」で、一般市民団体は殆ど運動ができず、認可団体でも制約を受け、実質運動ができませんでした。     
 ③ニ者択一の「どちらに整備するか」を選ぶもので、誘導的設問となっていました。高島経済会の要請は「庁舎位置」について、議会が市民の思いとの間に乖離があるから住民投票で決着を・・・と言うものでした。それを受けての住民投票であれば「今津」か「新旭か」を問うべきです。しかし、設問は「どちらに整備するか」と誘導的なものになっています。
 ④公示前から選挙期間に入っても、思い思いのチラシが発行されました。短期間に行える運動が、限られていたことからそうした方法が取られたのだと思います。そうしたチラシについて、市長は「白票での投票を訴えるなどもっての外」とおっしゃったり、内容について批判をされました。市の選挙管理委員会でさえも「白票投票も可能」と言われたように、自らの意思の表し方は幾通りかあり、チラシについても投票についても、それぞれが自らの責任において実行されたものであり、批判すべきことではないと思います。
投票所で「どちらかに○をつけて投票して下さい」と 投票用紙を渡すことや、市長の住民投票に対する協力を求める挨拶が書かれたチラシや、防災無線を使って「市長の主張」だけが一方的に流されたことは、「不公平だ」との意見が寄せられましたが、県の選管でも違法ではありませんが「モラルの問題でしょう」とのことでした。
 ⑤説明会があわただしく行われましたが、
 ・今津では進行が進まない状況があったこと。 
 ・説明会の資料と送付された資料に相違があった。
 ・説明会で質問しても答えられない場面があった。 などの意見も議員団に寄せられました。     
  住民投票の結果を分析すると市長がおっしゃるように、有効投票の3分の2以上を「新旭整備」が獲得。
 しかし、今津8692票、無効票や持ち帰りなど1286票、受け取り拒否をされた方もあったのか49票などとなっています。分析の見方は、有効投票で計算するか、投票総数で見るかで違いがあります。
 今回の「位置条例」は、議会でも3分の2以上の特別議決であるように、議員選挙などとは違い、市民的にも重要な案件であり、せめて有権者の過半数は必要ではないでしょうか。
 このような、極めて不備な条件のもとで行われた住民投票でも、「これが民意だ」と言えるでしょうか。
 但し、投票された市民の皆さんには何の過誤もありません。
 私たちは、なぜ、これほどまでに市長が急がれるのか、その思いが図れません。「間違いのない選択を」と繰り返し発言され提起されてきましたが、「間違いのない選択」とはいったい何でしょうか。
 丁寧な議会対応や、充分な住民との対話を怠り、拙速に拙速を重ねたあげく、市民の間に不信感と深い溝をつくり出している事態です。
合併後10年間、市民生活を何とか守ろう、無駄な公共事業はするな、健康と命の砦の高島市民病院は、市直営で新築を・・・と実現してきました。その結果、今日まで新庁舎建設に踏み込まず、新旭を市役所に、今津と安曇川の分庁舎も機能させ、狭いところを我慢しながら運営してきました。これは、誇るべき市政の姿勢であり、市民の公僕として当然のことだと考えます。   
 これ以上、市民に分断と不信を与えるべきではないし、住民投票結果を持って、議会に「賛成」を強要することはすべきでなく、しっかりした結論を出すためには、時間をかけた議論を尽くすことを求めるものです。
 合併特例債の期限を心配される方もありますが、時間的余裕はない訳ではありませんし、庁舎に使わなければ他のことに使え、その分を庁舎に持ってくることも可能です。 
 拙速すぎる結論の出し方ではなく、お互いの歩み寄りも必要で、しっかりと納得のいくまでの話し合いを行うことを求めて、反対討論と致します。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
市長は、議会後の記者会見で「市民を愚ろうするもの」や「民主主義を冒とくした」と発言されていました。
 私たちは「市民の皆さんを愚ろう(ばかにして、からかうこと)してもいませんし、「民主主義」が貫かれた住民投票であれば、賛同する議員も増えたはずですが減りました。「今後の高島市がどうなって行くのか」と心配し、「歩み寄りの努力」も提起しましたが、「民意がある」と、耳を傾けてはいただけませんでした。
 共産党議員団は、引き続き暮らし第一、支所の充実を優先し、庁舎問題解決に対案を示しながら、努力して行く所存です。ぜひ、ご意見をお寄せください。

コメント

コメントの投稿

管理者にだけ表示を許可する

 | HOME | 

カレンダー

« | 2023-10 | »
S M T W T F S
1 2 3 4 5 6 7
8 9 10 11 12 13 14
15 16 17 18 19 20 21
22 23 24 25 26 27 28
29 30 31 - - - -

月別アーカイブ

カテゴリ別アーカイブ

最近の記事

最近のコメント

最近のトラックバック

プロフィール

FC2USER030015ZSI

FC2USER030015ZSI

FC2ブログへようこそ!